「うちの親に限って、詐欺になんて引っかからない」と思っていませんか?
実は私も、少し前まで同じように思っていました。
でも先日、父から「知らない番号から警察を名乗る電話があって、少し怖かった」と聞いたとき、ふと背筋が寒くなったんです。
結局その電話は詐欺だとすぐに気づいて切ってくれたのですが、「もし私が近くにいなかったら」「もし父がもう少し不安な時期だったら」と考えると、他人事ではいられませんでした。
今日は、警察庁が発表した最新の特殊詐欺の統計をもとに、今どれだけ深刻な状況になっているか、そして私たちが家族としてできることをお伝えします。
去年もすでに「過去最悪」だった
まず知っておきたいのが、令和7年(2025年)の確定値です。警察庁の発表によると、この年の特殊詐欺の被害は次のようになりました。
令和7年(2025年)確定値
認知件数:27,832件(前年比+32.3%)
被害額:約1,423.1億円(前年比+98.0%)
被害額が前年からほぼ倍増しているというのは、正直かなり驚く数字です。
特に目立ったのが、警察官を名乗って現金をだまし取る「ニセ警察詐欺」で、被害全体の約4割を占めていたそうです。父が電話を受けたのも、まさにこのタイプでした。
さらに、SNSを通じた投資詐欺や、恋愛感情につけ込む「ロマンス詐欺」も増加傾向にあり、認知件数・被害額ともに前年を上回っています。SNSの広告やダイレクトメッセージがきっかけになるケースが多いのだそうです。
そして今年は、そのペースをさらに上回っている
「去年が特別ひどかっただけで、今年は落ち着くだろう」——そう思いたいところですが、残念ながら状況は逆のようです。
警察庁が2026年7月末時点までの暫定値を公表したところ、次のような数字が出ています。
令和8年(2026年)7月末時点 暫定値
認知件数:26,051件(前年同期比+16.6%)
被害額:2,108.1億円(前年同期比+42.9%)
まだ7ヶ月分の数字であるにもかかわらず、被害額はすでに前年の確定値(1,423.1億円)を大きく上回るペースで推移しています。
特にSNS型投資詐欺は被害額881.2億円、ニセ警察詐欺も617.1億円と、引き続き大きな割合を占めているとのことです。
つまり「去年が過去最悪だったから、もう落ち着くはず」ではなく、「今年はそれをさらに更新しようとしている」というのが、今の実情のようです。
典型的な手口には、共通する「怖さ」がある
2つの発表に共通していたのが、次のような手口の特徴です。
・「警察官を名乗る電話」「SNSで知り合った人からの投資話」で、まとまった預貯金を狙う
・家族に相談させないよう仕向ける
・「今すぐ送金して」と急がせる
・SNSの広告やダイレクトメッセージが最初のきっかけになることが多い
どれも「冷静に考えれば変だ」と気づけそうなものですが、電話口で急かされたり、SNSで信頼関係を築かれた後だと、意外と冷静な判断がしづらくなるそうです。
だからこそ、「事前に知っておくこと」そのものが、一番の対策になります。
今日、家族でできること
難しいことをする必要はありません。まずは、こんな小さな約束から始めてみませんか。
・知らない番号からの電話には、すぐ折り返さない
・警察を名乗られても、一度電話を切って警察相談専用電話「#9110」へ相談する
・SNSで知った投資先や、知り合った相手に送金しない
・「お金の話が出たら、必ず家族に相談する」を家族のルールにしておく
特に最後の「お金の話は必ず相談する」というルールは、いざという時に「相談していいんだ」と思い出せる、心強いお守りになります。
ぜひ今日、ご家族との会話のきっかけにしてみてくださいね。
出典:警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」記事を見る
警察庁「令和8年7月末における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」記事を見る

