「体験だけのつもりだったのに、気づけば数十万円の契約書にサインしていた」
そんなこと、自分には起きないと思っていませんか?
実は私も、「そろそろ本気で体を動かさないと」と思い、SNS広告で見かけたパーソナルジムの無料体験に申し込みかけたことがあります。
予約ボタンを押す直前、ふと「料金ページ、どこにも総額が書いてないな」と気づいて手が止まりました。
そんな中、国民生活センターからパーソナルトレーニングの契約トラブルに関する注意喚起が公表されました。
読んでみると、あのとき感じた小さな違和感が、まさに相談事例そのものだったんです。
今回は、これから運動を始めたい50代・60代以上の方と、親が「ジムに通いたい」と言い出したご家族に向けて、ポイントを整理します。
国民生活センターが注意喚起|何が起きているの?

2026年10月7日、国民生活センターは「パーソナルトレーニングに関する契約トラブル」を公表しました。
痩身エステなどの関連商品・サービスまで勧誘されて高額になるケースがあることが示されています。寄せられている相談は、たとえばこんな内容です。
実際に寄せられている相談の例
📱 SNS広告から無料体験に行ったら、体験後のカウンセリングが長時間続き、帰りたくて契約してしまった
🗣️ 「あなたにはこのプランが合っている」と高額なコースを勧められ、断れなかった
💊 サイトでは安く見えたのに、サプリメントやエステなど複数の契約まで勧められた
📅 1年コースを途中で解約しようとしたら、割引がなくなり入会金も請求された
⏳ 解約手続きをなかなか進めてもらえない/希望の日時に予約が取れない
相談件数は5年で約3倍に
全国の消費生活センター等に寄せられた相談件数(PIO-NET登録分)は、次のように推移しています。
- 2021年度:495件
- 2022年度:722件
- 2023年度:861件
- 2024年度:885件
- 2025年度:1,457件
- 2026年度:537件(8月31日までの登録分。前年同期は468件)
2021年度と2025年度を比べると約3倍。今年度もすでに前年同期を上回るペースです。
ここが落とし穴!パーソナルトレーニング特有のリスク
パーソナルトレーニングは、体の状態や目標をヒアリングして「あなた専用」のプランを提案してくれるのが魅力です。
でもその分、「自分に合ったトレーニング」=「自分に合った契約」と思い込みやすいのが注意点。
個別の提案に納得するうちに、回数・期間・関連サービスが膨らみ、総額を確認しないままサインしてしまうケースが目立ちます。
なぜ50代以上の私たちに関係があるの?

国民生活センターの公表資料では、年代別の内訳までは今回のページ上で示されていません。ただ、健康づくりを「これから始めよう」と思う世代ほど、次のような理由でこのトラブルと無縁ではないと感じます。
- 「膝や腰が心配だから、プロに見てもらいたい」という気持ちが強く、個別提案を信頼しやすい
- 体型だけでなく健康不安もあるため、「この期間は続けないと効果が出ない」と言われると断りにくい
- 体調や家族の介護などで途中で通えなくなる可能性が若い世代より高く、中途解約の条件が大きく影響する
推測ですが、長期コースほど「途中で通えなくなったときの負担」が重くなるため、シニア世代こそ解約条件を最優先で確認する価値があると思います。
また、離れて暮らす親が「ジムに通い始めた」と聞いたら、ご家族は契約書の内容を一緒に見てあげるだけでも、トラブル予防になります。
契約前に確認したい5つのポイント
サインする前のチェックリスト
① その場で即決しない。「家族と相談します」「一晩考えます」で持ち帰ってOK
② 支払総額(入会金・コース料金・関連商品すべて込み)を書面で確認
③ 中途解約したときの精算方法(割引の扱い、入会金、解約料)を確認
④ エステ・サプリなどトレーニング以外の契約が本当に必要かを切り分けて考える
⑤ 予約の取りやすさ・トレーナー変更の可否など、実際に通える条件かを確認
特に②と③は、口頭の説明だけで済ませず「紙でください」とお願いするのがおすすめです。
書面を出し渋るお店は、それ自体がひとつの判断材料になります。
困ったら「188(いやや!)」へ
消費者ホットライン188は、お住まいの地域の消費生活センター等を案内してくれる全国共通の3桁の電話番号です。
「契約してしまったけど不安」「解約に応じてもらえない」と感じたら、ひとりで悩まず早めに相談しましょう。
※クーリング・オフや中途解約が使えるかどうかは、契約の内容・期間・金額などによって変わります。自己判断せず、相談窓口で確認してください。
「通う前に、家でちょっと試す」という選択肢も
いきなり長期コースを契約するより、まずは自宅で体を動かす習慣をつくってから、必要ならジムを検討するという順番もアリだと思います。
習慣ができていれば「自分に何が必要か」も見えてきて、勧誘されたときに冷静に判断しやすくなります。
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私はこう思う|離れて暮らす親へ、ひとこと伝えておきたい
健康のために何かを始めようとする気持ちは、とても素敵なことです。だからこそ、その前向きな気持ちが高額契約で台無しになってほしくありません。
私は今度、実家に電話するときにこう伝えようと思っています。「ジムでも健康食品でも、契約する前に一回だけ私に電話して。反対するためじゃなくて、一緒に条件を見たいだけだから」と。
この記事を読んでくださったあなたも、ご家族と「契約する前のひと呼吸」の約束、交わしてみませんか?
出典:
国民生活センター「パーソナルトレーニングに関する契約トラブル-痩身エステ等、関連商品・サービスも勧誘されて高額に!?-」(2026年10月7日公表) 記事を見る
国民生活センター 啓発資料「パーソナルトレーニングに関する契約トラブル」(PDF) 記事を見る
国民生活センター「全国の消費生活センター等」 記事を見る
